ClashXで最初に確認すること
ClashXはmacOSのメニューバーから操作するClashクライアントです。サブスクリプションURLを読み込み、設定ファイルに含まれるプロキシノードやプロキシグループを表示し、選択したノードを使って通信します。ここで重要なのは、ClashX本体、カーネル、サブスクリプション設定は別のものだという点です。ClashXの画面が起動していても、カーネルが設定を読み込めていなければ通信は開始されません。
また、ClashXは配布元やバージョンによって、表示されるメニュー名、同梱されるカーネル、macOSの新しいバージョンとの互換性が異なる場合があります。古いClashXでは、現在のサブスクリプションに含まれるHysteria2、TUIC、VLESS Realityなどを認識できないことがあります。ノードが表示されない、設定の読み込みに失敗する、起動直後に終了するといった場合は、URLだけでなく、利用しているカーネルの種類とバージョンも確認してください。
| 確認項目 | 見る場所の例 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| ClashXの起動状態 | macOSのメニューバー | ClashXのアイコンが表示され、メニューを開けるか |
| カーネルの状態 | About、ログ、設定情報 | カーネルが起動し、設定ファイルを読み込めているか |
| サブスクリプション | 設定一覧、Profiles、Config | URLが完全で、最後の更新が成功しているか |
| macOSのプロキシ | ClashXのメニューとシステム設定 | システムプロキシがオンで、待ち受けポートが一致しているか |
購読URLをClashXへ追加する手順
購読URLは、プロキシサービスの管理画面から発行される設定取得用のリンクです。通常のWebページのURLではなく、アクセストークンを含む長いURLになっています。URLを知っているだけでサービス契約が成立するものではありませんが、第三者に渡ると設定や利用枠を不正利用される可能性があるため、パスワードと同じように扱ってください。
- サービス提供元の管理画面で、Clashまたはmihomo向けの購読URLをコピーします。
- ClashXを起動し、メニューバーのアイコンから設定一覧、Profiles、または購読設定に相当する項目を開きます。
- URLを追加するボタンを選び、コピーした購読URLを貼り付けます。
- 設定名を入力します。たとえば「日常用」「自宅回線」「仕事用」のように、後から見分けやすい名前にします。
- 保存または追加を実行し、対象設定を選択してダウンロードまたは更新を開始します。
- 更新が完了したら、設定一覧でノード名とプロキシグループが表示されることを確認します。
ClashXのバージョンによっては、URLを追加しただけでは現在の設定として有効にならず、追加後に設定ファイルを選択する操作が必要です。設定名の横にチェックマークが付いているか、メニュー内の現在の設定名が変わっているかを確認してください。ノード一覧が空の場合は、更新が完了していない、サーバーが空の設定を返している、またはClashXのカーネルが設定形式に対応していない可能性があります。
サブスクリプションURL
https://example.invalid/subscribe?token=非表示
期待するレスポンス
HTTP 200
Clash互換のYAMLまたは対応する設定形式
proxies:
proxy-groups:
rules:
ブラウザーでURLを開いて確認する方法もあります。ただし、画面にログインフォーム、CAPTCHA、HTMLのエラーページ、JSON形式のエラーが表示された場合、それはClashXが読み込める設定ではありません。URLをブラウザーで開けることと、Clash設定として正常であることは別です。URLをチャットへ貼り付けるときに改行が入っていないか、末尾の文字が欠けていないかも確認してください。
設定を更新し、ノード一覧を確認する
サブスクリプションを登録した後は、設定ファイルを一度更新します。更新処理は、URLへ接続する、レスポンスを受信する、YAMLを解析する、ノードとグループを画面へ反映するという複数の段階で構成されています。途中で失敗しても、ClashXの画面には「更新失敗」などの短い表示しか出ないことがあります。ログを開ける場合は、失敗時刻とHTTPステータス、解析エラーを確認してください。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初に行う確認 |
|---|---|---|
| 設定が一覧に追加されない | URLの貼り付け失敗、入力欄の形式違い | 提供元からURLをコピーし直す |
| 更新が403になる | トークン期限、アクセス制限、User-Agent制限 | 管理画面でURLの有効期限を確認する |
| 更新後もノードが表示されない | 空のレスポンス、形式非対応、解析失敗 | ログと設定ファイルの先頭部分を確認する |
| 一部のノードだけ表示されない | カーネルがプロトコルに非対応 | 消えたノードのプロトコル名を確認する |
| 更新がタイムアウトする | DNS、ネットワーク経路、サービス側の障害 | 別の回線で同じURLを試す |
更新に成功すると、通常は「Proxy」「Proxies」「Proxy Groups」などのメニューからノードとグループを選べます。ノードは個別の接続先であり、グループは複数のノードをまとめた選択単位です。「Proxy」というグループを選んだ後、その中で実際に使うノードを選ぶ構成が一般的です。グループ名はサービス提供元が設定しているため、ClashXのバージョンによって画面上の表示は異なります。
自動更新の間隔を設定できる場合は、短すぎる値を避けてください。数分おきの更新は、サービス側のアクセス制限により429 Too Many Requestsを招くことがあります。料金残量や有効期限を確認したい場合は、ClashXの更新画面だけに頼らず、サービス提供元の管理画面も確認してください。ClashXが保持している設定は、購読サーバー上の利用情報を完全に表示するものではありません。
ノードを切り替えて接続を確認する
購読設定が読み込まれたら、メニューバーのClashXアイコンからプロキシグループを開き、利用したいノードを選択します。多くの場合は「Proxy」または「ノード選択」に相当するグループを開き、その配下に表示されたノード名をクリックします。クリック後すぐに通信が切り替わる場合もありますが、接続中の通信が古い経路を保持することもあるため、確認時はブラウザーのページを再読み込みしてください。
- ClashXのメニューから現在の設定が有効であることを確認します。
- プロキシグループを開き、切り替えたいノードを選択します。
- 選択中を示すチェックマークやハイライトが移動したことを確認します。
- システムプロキシを有効にします。
- ブラウザーで新しいページを開き、IP確認ページや対象サービスへの接続を試します。
- 必要であればログを開き、接続先、使用グループ、エラーの有無を確認します。
「自動選択」「URLテスト」「負荷分散」などのグループは、手動選択とは動作が異なります。自動選択は遅延測定の結果に基づいてノードを変えるため、常に同じノードを使うとは限りません。動画サービスや業務システムなど、接続元の変化を避けたい用途では、まず特定ノードを手動で選び、安定性を確認してください。速度だけで判断せず、DNSエラー、頻繁な再接続、動画の停止、特定サイトだけの接続失敗も合わせて見ます。
| 確認方法 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| ノードの遅延テスト | 測定先までの応答時間 | 実際のダウンロード速度や混雑度とは一致しない |
| IP確認ページ | 外部サイトから見える出口IP | ブラウザーがシステムプロキシを使っている必要がある |
| ClashXのログ | ルール、グループ、接続エラー | 購読URLや認証情報を含む行を公開しない |
| 複数サイトの閲覧 | DNSやTLSを含む実用上の安定性 | 1つのサイトだけで正常性を判断しない |
接続できないときの切り分け
ノードを選択したのにWebページが開かない場合は、最初に「ノード自体の接続失敗」と「ClashXを経由していない状態」を分けます。ClashXのログに接続記録がまったくないなら、システムプロキシが無効、対象アプリがプロキシを無視している、または別のネットワーク設定が優先されている可能性があります。ログに接続記録があり、DNSエラーやTLSエラーが出ているなら、ノード、DNS、ルールの順に確認します。
- ノードが一覧にない:購読更新の失敗、設定形式の非互換、またはサービス側でノードが削除された可能性があります。
- ノード選択後も接続先が変わらない:システムプロキシがオフ、別のグループを変更している、またはブラウザーが独自プロキシを使っている可能性があります。
- 一部のサイトだけ開かない:ルールの判定、DNS汚染、サイト側のアクセス制限、IPv6経路を確認します。
- ClashXが起動直後に終了する:macOSとの互換性、アプリのアーキテクチャ、権限、カーネルの起動エラーを確認します。
- 更新だけ失敗する:購読URLの期限、HTTPステータス、DNS、更新時に使う接続経路を確認します。
設定を変更するときは、一度に複数の項目を変えないことが大切です。まずシステムプロキシを確認し、次に固定ノードを選び、それでも失敗する場合に別ノードやDNSを試します。TUN、外部コントロール、LAN共有を同時に有効にすると、ポート競合やルーティングの問題が追加されます。自宅のMacだけで使うなら、allow-lan: falseに相当する状態を維持し、LAN公開を必要以上に有効にしないでください。
よくある質問
ClashXに購読URLを追加したのにノードが表示されないのはなぜですか?
URLの有効期限切れ、更新失敗、空のレスポンス、またはカーネルが設定形式に対応していない可能性があります。更新ログのHTTPステータスと解析エラーを確認し、提供元からClashまたはmihomo向けURLをコピーし直してください。
ノードを切り替えたのにIPアドレスが変わりません。
ClashXのシステムプロキシが有効か、macOSのネットワーク設定でHTTPまたはHTTPSプロキシがローカルポートを指しているかを確認してください。ブラウザーの独自VPN、拡張機能、別のプロキシ設定が優先されている場合もあります。
自動選択と手動選択はどちらを使えばよいですか?
速度や遅延に応じて切り替えたい場合は自動選択、接続元を安定させたい場合は手動選択が適しています。自動選択の測定値は一時点の結果なので、実際の通信品質を確認してから使い分けてください。
ClashXで新しいプロトコルのノードが使えません。
古いClashXやクラシックClashカーネルでは、Hysteria2、TUIC、VLESS Realityなどを解析できない場合があります。ノードのプロトコル名を確認し、利用中のクライアントとカーネルが対応しているかを確認してください。